COLUMN

女性アスリートのACL損傷の頻発について

先日、新聞にACL損傷が女性選手に頻発しているという記事が書かれていました。

近年、女性選手のスポーツ参加が増えてきています。

しかし、スポーツによる傷害の起こりやすさは男女差があり、

特に、女子サッカーにおける傷害の発生率は、他の競技と比べると高く、その中でもACL損傷は男性の4~6倍とも言われています。

 

ACLってなに?

膝前十字靱帯(ACL)は膝関節内で大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)をつなぐ靱帯で、大腿骨に対して脛骨が前方に移動ないしように制動する役割と回旋方向への制動の役割を担います。

ACL損傷は、選手生命を絶たれかねないケガで、多くの場合は手術が必要となり、競技復帰には長いリハビリが必要となります。

 

 

 

 

そんなACLは、ジャンプの着地時やストップ動作、膝に捻りが加わるカッティングやステップなどの方向転換の動きのような接触がなくても受傷することが多く、スポーツ活動中に頻発します。

また、ラグビーや柔道、アメフトのような激しい接触プレーがある競技では、タックルを受けた時などに損傷することもあります。

 

ここまではざっくりとしたACLの概要です。

ここからがタイトルにある女性アスリートのACL損傷に頻発についてです。

 

なぜ、女性アスリートでの受傷が多いのでしょうか?

特徴の1つに、受傷につながりやすい女性特有の骨格的特徴があります。

女性の身体は、男性に比べて骨盤の幅が広い傾向にあり、Qアングル(骨盤の外側と膝蓋骨を結ぶ線と膝蓋骨と脛骨粗面を結ぶ線の角度のずれ)が大きくなる傾向があります。

この角度が大きくなると、膝関節は外反という膝が内側に入った状態つまり、X脚傾向となり、ジャンプの着地やカッティング動作時に膝が内側に入りやすく、ACL損傷のリスクが高くなりまます。

 

 

 

また、筋力の差もリスクになります。

H/Q比と呼ばれる、H(ハムストリングス)とQ(大腿四頭筋)の筋力比が女性では男性と比べ低くバランスが悪くなり、さまざまな傷害のリスクとなってしまいます。
 

その他にも、身体の使い方にも違いがあります。

女性の着地時に注目すると、男性は「くの字」のように股関節をうまく使った着地をしますが、女性の多くは、股関節があまり曲がらず、着地時の衝撃を吸収しずらい姿勢になりやすいことが多く、この着地時に膝が内側に入ってしまうとACL損傷を起こしてしまいます。

 

予防するために、、

骨格の形などは変えることはできませんが、筋力の強化や膝が内側に入らない姿勢、股関節の使い方など動作を改善することで予防に繋がります。

身体を鍛えることや強くなるためのトレーニングだけでなく、けがをしない身体作りのためのトレーニングは必要で、それは選手の競技人生を守ることにも繋がります。

 

ActFitでは、パフォーマンスを向上させたい選手だけでなく、けがからの復帰を目指す選手、復帰したけれど中々、元のパフォーマンスに戻らず悩んでいる選手のサポートもしていますので、ぜひお問い合わせくださいませ。

 

 

 

このコラムの執筆者

橋本隼歩 トレーナー写真橋本隼歩 名前

 
初めまして、パーソナルトレーナーの橋本隼歩(ハシモト ハヤト)です。 2001年3月生まれ、茨城県鹿嶋市出身。僕の地元鹿嶋市は鹿島アントラーズというプロサッカーチームの本拠地であることから「サッカーのまち」としてサッカーが盛んな地域です。そんなことから、必然と僕自身も小学校時からサッカーを始め高校サッカー引退までの10年近くプレーしていました。

橋本隼歩 自己紹介  

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